カテゴリー: 読書ろぐ

新春まんが祭り

年始にDMMブックスの割引クーポン&ポイント還元セールで漫画をたっぷり買いました。
あの……テリコデが好きな人、全員「煙と蜜」の最新5巻読んでもらえないですか……?ぜったい好きなはずなんで……。

鉄軍曹、3巻初登場時は完全なヒール役だと思ってたので、こんな展開になるとは微塵も思ってなかった。(でも姫子さまがあと2,3歳年齢重ねてたらフツーに危害加えられてたろうなとも思う)
私って本当に…本っっっ当〜にこういうのが癖(ヘキ)なんだな…。

『煙と蜜』、31歳の陸軍少佐の許嫁は13歳のお嬢様というお話で、
時代設定を鑑みても己の心に住まうコンプライアンス委員会がざわついてしまうのだけど、
漫画としての質が高すぎるので、この作品だけは特別にアリってことでいいよね…へへへ…(意思弱)という気持ちになってしまう。
二人の関係がとても丁寧に描かれてて(丁寧通り過ぎて最早ねっとりしてる)設定に説得力があるというのもあるんですが、
何より、この二人が無事結婚してハッピーエンド☆にならなさそう感がすごいからというのもある。文治さまに死相がですぎとる。

なんとか二人に幸せになってほしいよ〜!と思いつつ、姫子さまの成長を見守ってると、姫子…嫁にいくな……という気持ちになってしまう。
5巻で全身が写ったときに姫子さまの身長の伸び具合に気付いてハッとしました。大きくなっとる…。
龍子さんの心の内にめちゃくちゃ共感してしまうよ。

〜他の買ったまんが達〜

『きのう何食べた?』(#21,22)よしながふみ
結婚式でのシロさんのスピーチにうるっときた。よしなが先生は読者をしっとり泣かせるのがお上手。

『多聞くん今どっち!?』師走ゆき
無料アプリで途中まで読み、あまりにも面白すぎたので続きを購入。ギャグが面白い少女漫画は信用できるの法則。
アイドル、推し活、病み気味ヒーローというトレンドを抑えつつ、笑いとときめきどちらも楽しめる贅沢な作品。いま一番好きな少女漫画かも。
ヒロインの顔が連続破裂する回めちゃ笑った。(※少女漫画です)

『黒博物館 三日月よ、怪物と踊れ』藤田和日郎
藤田先生が描くシスターフッド作品。そんなん最高に決まっとる!!
まだ一巻しか読んでないけどもうかなり面白い。じっくり読みたいので原稿終わってから読みます。

『ニューヨークで考え中』近藤聡乃
連載でも読んでるけど、まとめて読むのもまた良い。自分では気付かなかった視点で物事が描かれていて、ドキッとすることもある。
余談ですが、私は同作者の『A子さんの恋人』が大大大好き。あんなに潔く終わる物語を他に知らない。

この世、面白い漫画が多すぎて追いきれない。ピッコマのおすすめ作品の話もしたいのですが、それはまたいずれ書きます。

最近読んだ本

拍手送ってくださった方、ありがとうございます!作業中励みになりました!もうちょっとで更新できそうなのでしばしお待ちください〜。

とくに書くことがない時のための読書ログ。
つっても全然本読めてないので少しだけ。無駄にコラージュも作ってみました。いつかまたお品書きを作る時のための訓練です。

■朱色の化身
タイトルと装丁がかっこいいから読んだ。(厨二病?)

行方不明となったゲームクリエイター・辻珠緒を探すため、周囲の人々に取材を繰り返しながら真相を追うミステリー小説。
作者が元新聞記者だけあって、インタビュー証言の描写がとてもリアルで良い。
捜索対象に少しずつ近づいていく様子に興奮をしつつも、知りたいと思う気持ちはどこまで許されるか、を問われているようで後ろめたさも覚える。

すごく好き嫌い分かれそうな作品だけど、少なくとも私は読んでよかったと思ってます。
でも彼女の経歴と人格の結びつきをもう少し掘り下げてほしかったな。

珠緒が信頼できる人を得るまでの経緯は正しい行動とは言えないけど、まあ長い人生正しいことだけが良いってわけでもないんですよね。(とはいえ自分が身近な人間だったらマジで無理な振る舞いだが)
読者はどうしても彼女の味方になってしまうから、正しくなくても、ただ生きていてくれてよかったよ…という気持ち。

作中に出てくる俳句、「雪の音に 誘う雄島 朱の化身」とラストの嵐のような情景が脳裏に焼き付いている。どちらも珠緒そのものを表しているかのよう。
この本読んだら京都の何必館に行ってみたくなりました。絶対に近々行こう。

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■ポピーのためにできること
ひたすらメールとSNSのテキストで進行していくミステリー。令和の小説だ…!
殺人が起きるまでのドキドキ感はよかったけど、推理パートがわけわかんなすぎて後半失速してしまった。読者へのヒントが少なすぎるよ〜!
そんであのオチはどうなの。この作品でそれアリなの!?と思ってしまった。本当に前半は面白かっただけに残念。登場人物の癖の強さもよかったな。イッシーが怖すぎる。彼女みたいな人間は現実にもいるってのが何よりのホラーよ。

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殺戮にいたる病
叙述トリックものといえば必ず名前が挙がるこの作品。いつか読もうと思っていたら10年経っていた。(やば)
今日までこの超有名作品のネタバレに触れることなく生きてこられたのってとても幸運なことだったと思います。見事に騙されました。
随所で確かに違和感を抱いていたのに、それをつい流してしまい、読了後にこれまでの違和感は全て正しかったことを知る。日頃の生活でも、なんであの時自分の勘を信じなかったのか…!と後悔することがあるけど、読書でそれを体験できるのって面白いですね。
最後から二番目の犠牲者視点の物語を読んでみたいけど、詳細が分からないからこそ良いのでしょう。

女性が被害に遭う連続猟奇殺人事件がテーマなのでそりゃもう胸糞悪いし、被害者と同性の立場としては読みながらイテテテテ!となる。(痛いなんてもんじゃないし、最も酷いのは死後の扱いなんですが)昔の作品だから現代では通用しない部分(今なら監視カメラで即逮捕だろ、とか)も多くあるけど、それでも間違いなく傑作といえる一冊でした。
叙述トリックものってやっぱり面白いな。過去読んだものだと『十角館の殺人』も大好きです。あとは若竹七海の『クールキャンデー』もサクッと読めてヒヤッとできておすすめ。

今月は激ラブ作家さんの新刊が出たので早く買わねば。読み終えたらおすすめ記事を書きます。その方の本がとてもとても好きなので…。

これ読んでる人いるか分からないけど、もしいたらここまでお付き合い頂きありがとうございました!イチオシミステリー小説などあれば是非教えてください。

思い出の児童書

自宅のレイアウト見直しや断捨離の結果、
棚をひとつ増設することに成功。これでまた本が増やせる!!!
この一年、薄い本とヅカ関連書籍がじわじわと増え収納に困っていたんですよね。

収納スペースも増えたことだし、これを機に子どもの頃に図書館で借りて読み、ずっと記憶に残ってる思い出の本を買うことにしました。
一番好きな児童書を挙げよと言われてたら真っ先に思いつく作品、
向山貴彦さんの『童話物語』。

家族も友もいない孤独で貧しい主人公と妖精フィツが出会い、二人は行動を共にすることに。しかしフィツの使命は、最初に出会った人間を9日間観察し、この世界が滅ぶべきかどうかを判断することだったーーというようなお話。

この手の主人公はだいたい優しい心の持ち主だったりしますが、この物語の主人公・ペチカは違います。
餌をねだる仔猫を蹴飛ばして追い払い、ことあるごとに「お前なんか死んじゃえ」と言い放つ性格のねじ曲がりっぷり。
でもそんな性格にならざるを得ないほど過酷な境遇の主人公なんです。そこまでするか!?ってくらい辛い目に遭い続ける。
ネズミが出るまで耐えて、でお馴染みの十二国記シリーズ『月の影 影の海』の陽子に匹敵するくらい不遇です。(それ以上かも)

そんなペチカのセリフ、
「お金がいっぱいあって、お腹がいっぱいで、永遠に生きられたら誰だって親切になるよ!猫にエサをあげるのだって簡単だよ!そんなの暇でしょうがない人が退屈しのぎにやるんだ!」
これが子ども時代の自分にはかなり衝撃で、でも確かにそうだよな…と強く納得もしてしまう。自分を生かすことで精一杯すぎた彼女の悲痛な叫びなんですよね。猫を追い払ったことをずっと覚えてるあたり、彼女は悪人ではないのです。

そんな主人公が足掻き続け、優しい人々との出会いで変わってゆく姿が健気で眩しくて、おいおい泣いた記憶があります。
かつてペチカをいじめていた同村の少年ルージャンの葛藤と成長もいいんですわ。
終盤の「キャラメルパン、ごめんな…」のシーン、一生忘れらんねぇわ…。

この本は手元に置いておきたかったのよね〜とググってみたら、ハードカバー版が絶版になっていることを知りました。
う、嘘でしょ…こんな名作が…?
文庫版は存在するけど、挿絵がページの途中に差し込まれているのはハードカバー版のみなのです。(文庫版は巻頭にまとめて収録)それにハードカバー版の方が表紙も好み。
どうしても欲しいよ〜!!とジタバタした結果、Amazon経由で中古品を購入することに。本の状態写真などない中、店の「こちらは良品です」の説明文に縋る思いでポチりました。

で、届いたのがこちら。

超〜美品じゃん!!帯までついとるがな!
よく確認したら一箇所細かいページ破れはあったけど、全然許容範囲です。あまりの嬉しさにうるっと来てしまった。買ってよかった2022大賞だよ。年末年始にじっくり再読しようと思います。

それにしても本ってすぐ絶版になってしまうんですね…思い出の本はやっぱり紙で持っておきたいのに…。電子書籍時代の恩恵を受けつつも複雑な気持ちになりました。

こうなってくると他の本もこの世に存在するうちに買っておいたほうがいいか!?と焦ってしまう。
勾玉三部作とか、たつみや章の月神シリーズ(これも絶版になってました…死)とか、黒ねこサンゴロウシリーズとか…あれもこれも欲しい。

棚一つ増えたくらいじゃ収納全然足りないよ!という新たな悩みができてしまったのでした。

読書ろぐ2022春〜初夏

ネタがないときのために書き溜めてる(私だけが楽しい)最近読んだ本記録。色々読んだけどとくに気に入った数冊だけ。

■同志少女よ、敵を撃て
この本を図書館の予約カートに入れたのは随分前のことで、その頃はまさかウクライナがこんな状況になるなどと思っていなかった。でも今でなければ、私はこの作品をただ物語として消化してしまったかもしれないから、今読めてよかったと思います。

登場人物の心情描写が丁寧で、彼らの葛藤に触れるたびに自分ならどうか、を常に問われ続ける。英雄的兵士を持て囃すネットニュースを見た時、その異常性に気味悪さを覚えた一方で、アヤやセラフィマの活躍シーン(敵を多く殺める様)を読むとどうしても心が沸き立ってしまう。自分の中にもそういう感情がある、その事実に落ち込んでしまった。やっぱり戦争なんて最悪だよ。ぜって〜嫌!の気持ちを強めました。

ミハイルは終盤のあの時、あの前後、どういう精神状態だったんだろうとか、イェーガーの言葉をセラフィマは正しく訳したのかとか気になるけど、知ったところで結末は何も変わらないんだよな…。

読み終えた直後に本屋大賞の発表があって、めでたい!と思いつつも、この作品が今注目されることになった要因を思うと複雑な気持ちです。

■上流階級 富久丸百貨店外商部 (3) 
桝家が可愛すぎるでしょうが…ッ!初登場時のクソガキっぷりが嘘のよう。天性の愛されボーイだよあんたは…。
もうとっとと偽装結婚すれば!?と思うけど、そうなると静緒は“妻”をやろうとするだろうから、今の関係は保てないんだろうね。現代のパートナーシップ制度、やっぱりバリエーションが少なすぎるよねえ。
静緒はどう考えても会社に搾取されすぎだから転職してほしいけど、そうなるとこのシリーズ終わっちゃうんだよな。それは困る。

■ザリガニの鳴くところ
中盤くらいまで物語がどこに着地するのか全く予想ができず、続きが気になって一気に読んだ。こんなに夢中になって読んだ本は久しぶり。人に薦めまくりたいのに感想が難しすぎる本。“思いもよらぬ結末”と煽られてるけど、個人的にはいい意味で意外性がないというか、カイアがこれまで見つめてきたものを思えば当然な流れだった。

自然と共に暮らすのは過酷だろうに、カイアの視点では湿地の環境そのものはただただ美しいものとして描かれていたのが印象的でした。自然は彼女を孤独からは救ってくれなかったけど、決して傷つけない。「カイアはずっと、この大地や海のものだった」、この一文が全てを表しとるわ…と読了後ため息が漏れた。いい本を読んだ。

ところで弁護士トム・ミルトン、イケおじすぎませんか。素晴らしいスマートしごできっぷりにキュンとした。


書影を自サイト内ブログでどう出したらいいもんか分からず、新ブログに移行してから書けてなかった読書ろぐ。版元ドットコムで許可下りてる画像をDLできると知りそちらを活用してみました。調べてみれば便利なものがあるもんですね。ありがたい。