読書ろぐ2022春〜初夏

ネタがないときのために書き溜めてる(私だけが楽しい)最近読んだ本記録。色々読んだけどとくに気に入った数冊だけ。

■同志少女よ、敵を撃て
この本を図書館の予約カートに入れたのは随分前のことで、その頃はまさかウクライナがこんな状況になるなどと思っていなかった。でも今でなければ、私はこの作品をただ物語として消化してしまったかもしれないから、今読めてよかったと思います。

登場人物の心情描写が丁寧で、彼らの葛藤に触れるたびに自分ならどうか、を常に問われ続ける。英雄的兵士を持て囃すネットニュースを見た時、その異常性に気味悪さを覚えた一方で、アヤやセラフィマの活躍シーン(敵を多く殺める様)を読むとどうしても心が沸き立ってしまう。自分の中にもそういう感情がある、その事実に落ち込んでしまった。やっぱり戦争なんて最悪だよ。ぜって〜嫌!の気持ちを強めました。

ミハイルは終盤のあの時、あの前後、どういう精神状態だったんだろうとか、イェーガーの言葉をセラフィマは正しく訳したのかとか気になるけど、知ったところで結末は何も変わらないんだよな…。

読み終えた直後に本屋大賞の発表があって、めでたい!と思いつつも、この作品が今注目されることになった要因を思うと複雑な気持ちです。

■上流階級 富久丸百貨店外商部 (3) 
桝家が可愛すぎるでしょうが…ッ!初登場時のクソガキっぷりが嘘のよう。天性の愛されボーイだよあんたは…。
もうとっとと偽装結婚すれば!?と思うけど、そうなると静緒は“妻”をやろうとするだろうから、今の関係は保てないんだろうね。現代のパートナーシップ制度、やっぱりバリエーションが少なすぎるよねえ。
静緒はどう考えても会社に搾取されすぎだから転職してほしいけど、そうなるとこのシリーズ終わっちゃうんだよな。それは困る。

■ザリガニの鳴くところ
中盤くらいまで物語がどこに着地するのか全く予想ができず、続きが気になって一気に読んだ。こんなに夢中になって読んだ本は久しぶり。人に薦めまくりたいのに感想が難しすぎる本。“思いもよらぬ結末”と煽られてるけど、個人的にはいい意味で意外性がないというか、カイアがこれまで見つめてきたものを思えば当然な流れだった。

自然と共に暮らすのは過酷だろうに、カイアの視点では湿地の環境そのものはただただ美しいものとして描かれていたのが印象的でした。自然は彼女を孤独からは救ってくれなかったけど、決して傷つけない。「カイアはずっと、この大地や海のものだった」、この一文が全てを表しとるわ…と読了後ため息が漏れた。いい本を読んだ。

ところで弁護士トム・ミルトン、イケおじすぎませんか。素晴らしいスマートしごできっぷりにキュンとした。


書影を自サイト内ブログでどう出したらいいもんか分からず、新ブログに移行してから書けてなかった読書ろぐ。版元ドットコムで許可下りてる画像をDLできると知りそちらを活用してみました。調べてみれば便利なものがあるもんですね。ありがたい。