ぎんぎつね原画展

長年連載を追い続けた漫画が昨年完結したんですが、その作品の原画展を作者さんが個人的に開催することとなり大喜びで行ってきました。
旧ブログの頃、ファンレターを書いた話をアップしたことがありましたが、そのお相手こそ「ぎんぎつね」の作者・落合さより先生だったのでした。今回ももちろんお手紙をしたためプレゼントBOXに投入してきましたよ。

この作品、長いこと休載してた期間があって、何年も情報がないままずっと待ち続けていたんですよね。
なので無事完結を見届けられただけでも奇跡みたいなのに、原画展まで開かれるなんて、全部私の妄想か…?と思ってしまう。

作品のモデルとなった神社(会場のすぐ近く)では、コラボ御朱印・お守りの授与や、記念スタンプやパネルなども設置されており、聖地巡礼も楽しめました。
地元ボランティアの協力もあったりと、地域の人に応援されてる作品ということが感じられてファンとしても嬉しい限りでした。

落合先生はアナログ絵がとっても魅力的な漫画家さんで、迫力の原画の数々に圧倒されたり感動したりで情緒が大忙し。
やっぱり生の原画って全然違いますね。大好きなシーンの原画見て目頭が熱くなりました。

グッズ類は私が行ったときには全て完売してたので画集だけ購入。
作家さんが自費出版で画集だしてくれる世界、ありがたすぎるでしょ…こんな嬉しいことあっていいの…?レシートにも絵が印字されてました。かわいい。

主人公である神社の娘・冴木まことは神使のお狐様が視える…というファンタジー設定でありながら、描かれてるのは現実を生きる人間たちの物語。
現代日本を舞台に宗教を漫画で扱うって簡単なことではないと思うのですが、
神様を信じる人、信じない人、信じたいのに信じられない自分に苦しむ人、様々な人のそれぞれの葛藤を丁寧に描いている、とっても誠実な作品なんですよね。

作中の恋愛エピソードもまた良いんです。
もうどうにもならない過去の恋人たちが癖なので、主人公の両親(母病死)のエピソードにそれはそれは泣かされました。
あと2巻から登場する準主役の男の子が、主人公への恋心を自覚するのに単行本9巻までかかるってのが、もう、まじ、本当に素晴らしくて、あまりの萌え展開に当時はガッツポーズしたものです。
落合先生の描く男性って線が太くてたいへんに格好良いんですけど、彼らの恋する姿がとっても可愛らしいんですよ。ちなみに作中一番の男前(だと私は思ってる)は小柄な男なんですけどね…みんな終盤の小杉の男っぷりを見てくれ…。

ぎんぎつねで夏越の祓を知り、それ以来毎年6月30日は茅の輪くぐって水無月を食べることがすっかり恒例となっている。私にとって暮らしの一部みたいな作品なんです。
読むと心が温かくなる良い漫画なので、ご興味があればぜひ。